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豆知識
・ 結婚記念日の贈り物って?
・ 薬指にはめるのは何故?
・ ダイアモンドの鑑定
・ 世界で有名なダイアモンド
・ 銀の黒ずみを取る・つける
・ ジュエリーの技法(歴史)1
・ ジュエリーの技法(歴史)2


クラフトマン藤崎保

  担当 藤崎 保
・1990年
  東京宝石デザインスクール卒
・2006年
  JJAジュエリーデザイン
  アワード初出展で入選
・神奈川宝飾工芸組合員

ジュエリーの技法、民族大移動、中世 ― 2


古典期から近世へ


ケルトの伝統を伝えるタラのブローチ


ケルトの伝統を伝えるタラのブローチ

鑑賞ポイント

  1850年にアイルランドのタラで見つかったもので、ケルトの匂いが濃厚。
  ピンの部分は円環の上を自在に動く。
  尻尾のようなチェーンはいかなる意味があるのか。
  銀に厚い鍍金で、ニエロや七宝で埋まる。
  8世紀初頭、アイルランド国立博物館蔵。

  大移動したキリスト教化の中でゲルマン諸族が遺した実用的装身具
  【 中世 ― 2 】

 MIDDLE AGES ― 2   5c〜15c

諸族による王国の興亡から統合への時代


 ローマ帝国辺境の民族の平安は、東から侵入してきたフン族によって破られ、多くのゲルマン族が
西方のローマ帝国領内に移動したことは民族大移動として歴史に残る。
アングル族やサクソン、ヴァンタル、フランク、ランゴバルト、ゴートなどゲルマン諸族は東西に分裂した
帝国の半分、西ローマめがけて侵入し、次々と国を建てては滅びていった。
文化的には、その過程の中でゲルマン族は少しずつキリスト教化してゆく。
やがてシャルルマーニュ大帝のカロリング朝 * 1やオットー大帝の神聖ローマ帝国の時代となり、
神と天国と地獄をテーマとする美術を作ったことは前項の通りだ。
ここでは、キリスト教化以前の、そうした民族のジュエリーを見てみたい。

中世らしいオットー大帝の頃のフィビュラ

中世らしいオットー大帝の頃のフィビュラ

鑑賞ポイント

  中央にアメシスト、回りに真珠、金で作られたボタンのようなれっきとしたフィビュラ。
  直径わずか3.5cmのブローチの原型。
  ボタンというものがまだ見られなかった神聖ローマ帝国治下のもの。
  11世紀初頭、フォルツハイム宝石美術館蔵。

奇怪な形、でもれっきとしたブローチ

奇怪な形、でもれっきとしたブローチ

鑑賞ポイント

  フィビュラと呼ばれるブローチの原型。
  中央の縦にピンがある。
  銀に金鍍金、ガーネットとニエロで飾る。
  東ゴート族が使ったものと言われる。
  メッキはおそらく水銀鍍金。
  5世紀後半、フォルツハイム宝石美術館蔵。

古墳から発掘された民族色濃い装身具


 1939年に、ロンドンの北東約100キロのサットン・フーで古墳が発掘された。
ヴァイキングなどの海洋民族特有の船葬墓で、木造船に積まれていたのはメロヴィング朝 * 2の
コインのほか大量の装身具、大きな肩飾りやバックル、刀の柄飾りなどである。
多くのものが金製で宝石類はガーネットが主に使われている。
すでに前述したグリッピング・ビーストや全長が13センチもあるバックルなどのデザインのものは
キリスト教と接触する以前の民族のデザインでありジュエリーであったと推測される。
墳墓そのものは、650年前後のもので、サクソン族の王エスルヒアのものと言われる。
 これらの諸民族が使った装身具は装飾を伴ってはいるものの、本質的には実用品として作られたことが特徴で、
フィビュラも衣服の合わせ目を留めるためのボタンの代わりの実用品であった。
そのあたりが、完全に文明化する以前の民族の装身具の状況を示すものとして面白い。
印象的なのは、平面に研磨したガーネットを有線七宝のように金線の枠に合わせて嵌入してあることで
接着剤には微粒子の砂と卵白を使っている。
また、鈍い鼠色をしたニエロも特徴的で、実例はむしろ七宝よりも多いだろう。
こうしたジュエリーのほとんどはキリスト教化の中で作られなくなり、その後のロマネスク、
ゴシックの時代を通じてほぼ完全にわすれられたのは残念である。
これらが復権してくるのは、19世紀のリバイバルの時代を待たねばならなかった。

*1:メロヴィング朝を継いだフランク族の王朝、〜10世紀。

*2 5〜7世紀のフランク族の最初の王朝。

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