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豆知識
・ 結婚記念日の贈り物って?
・ 薬指にはめるのは何故?
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・ 世界で有名なダイアモンド
・ 銀の黒ずみを取る・つける
・ ジュエリーの技法(歴史)1
・ ジュエリーの技法(歴史)2


クラフトマン藤崎保

  担当 藤崎 保
・1990年
  東京宝石デザインスクール卒
・2006年
  JJAジュエリーデザイン
  アワード初出展で入選
・神奈川宝飾工芸組合員

ジュエリーの技法、ルネサンス ― 2


古典期から近世へ


エリザベス1世のペンダント「アルマダ・ジュエル」


エリザベス1世のペンダント「アルマダ・ジュエル」 * 2

鑑賞ポイント

  七宝による女王のミニアチュール(線密画)は、名人ニコラス・ヒリアードの作。
  君主の像を描いたこうしたジュエリーは、臣下への下賜品として多く作られた。
  1588年頃、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館。

エリザベス1世の肖像


エリザベス1世の肖像

エリザベス1世の肖像画は、大変な数にのぼる。
これはフィレンチェのピッティ宮殿にある、いわゆるディチェリィ・ポートレートと
呼ばれるものの一つで、女王の顔つきが優しく描かれた肖像の一つ。
彼女は膨大な量のジュエリーを所有し、使用した。
それによって、それまでの男性のつけるジュエリーから女性への移行が早まったとも言える。
1592年、フィレンチェ、ピッティ宮殿蔵。

  銅版画として登場したデザイン画、代表的なアラベスクとグロテスク
  【 ルネサンス ― 2 】

 RENAISSANCE ― 2   15c〜17c

金銀細工師によって彫られた銅版画


 ジュエリー史の上で、次のマニエリズムの時代にかけて起きた大切なことは、
デザイン画の登場である。
このデザイン画の歴史は、実は版画の歴史でもある。
西欧での版画は1400年前後の木版画から始まり、1420〜30年頃に銅版画が登場する。
銅板は金属の板にキズを付け、そこに入れたインクを紙に転写する。
この金属の表面に入れる彫りは金銀細工師の技術と同じもので、初期の銅板画は彼らが彫ったとも推定される。
この二つの職業はそれぞれ独立してゆくが、15世紀末あるいは16世紀の初め頃は同じ職業だったろう。
したがって初期の銅版彫刻師がジュエリーのデザインに使えるような画題を彫ったのは決して不思議ではない。

ルネサンス期の名作「カニング・ジュエル」

ルネサンス期の名作「カニング・ジュエル」

鑑賞ポイント

  珍しい男性の人魚が怪物メドゥーサの首を切り取ったところを描いたペンダント。
  色彩の多くは七宝だが、人魚の胴体は見事なバロック真珠。
  振り上げた刀などに初期のテーブル・カットのダイヤモンドが見られる。
  16世紀後半、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館蔵。

ジュエリーには見えないデザイン画


 この銅版画という新しい技術に魅せられたのか、高名な画家2人が余技としてジュエリーのデザイン画を残している。
アルブレヒト・デューラーとハンス・ホルバインである。
特にホルバインはヘンリー8世 * 1 の宮廷に仕えながら、179枚のデザイン画を残し、
今は大英博物館の所蔵となっている。
ただし不思議なことに、どちらのデザインも実際に作られた気配は無く、現物のジュエリーは存在しない。
19世紀の末頃になって、これを使ったと称するジュエリーが作られ、ホルバイネスクの名前で売られた。
これなど「何々先生デザインのジュエリー」の走りだが、ホルバインの絵とは全く似ていない。
2人の後を追うようにして多くのデザイン画を残した人々が出るが、初期のデザイン画の面白さは、
デザインがジュエリーの形をしていないことだ。
アラベスクあるいはグロテスク * 3 と題されたもので、その多くは全く自由な発想の様々な形を連ねた版画である。
アラベスクは文字通りイスラム起源の連続した線の模様で形成され、グロテスクはまさに
グロテスクな図像の集大成である。
これがどうしてジュエリー・デザインなのかと聞かれそうだが、ジュエリーに限らずあらゆる工房の親方はこの画集から
自分の好きな部分だけを模写して品物を作った。
つまり、彼は高価なこの版画集を隠し持って、その一部を自分のデザインとして小出しにして金を稼いだのである。
やがてデザイン画は今のものと同じく、ペンダントとか指輪とか、実際の物の形をとっていくようになるが、
ルネサンス初期に生まれたデザイン画は、何とも不思議なものであった。

ヘンリー8世の肖像

ヘンリー8世の肖像

  エリザベス1世の父ヘンリー8世の像。
  ハンス・ホルバイン(息子の方)が描いた肖像画の一つ。
  大きなチェーンもさることながら、衣服の正面や袖に縫い付けられた色石と金細工に注目。
  帽子のヘリにもアンセーニュ風にジュエリーが取り付けられている。
  この時代の王侯のジュエリーに対しての情熱がわかる。
  1580年前後、ローマ、ガレリア・ナツィナオーレ・ダルテ・タンティカ蔵。

*1:英国王(1509〜47)エリザベス1世の父。

*2 スペインの無敵艦隊アルマダを破った記念に作成。

*3 つる草などに生物や人間を絡ませた怪異な曲線の装飾文様。


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