店舗案内

 営業時間/10:00〜18:00
 定休日/日曜日
 電話番号/042-747-7118
 お店への地図はこちらから

お問い合せフォーム
 ダイヤに関するご質問はメール
 またはお電話にてお問い合わせ
 下さい

豆知識
・ 結婚記念日の贈り物って?
・ 薬指にはめるのは何故?
・ ダイアモンドの鑑定
・ 世界で有名なダイアモンド
・ 銀の黒ずみを取る・つける
・ ジュエリーの技法(歴史)1
・ ジュエリーの技法(歴史)2


クラフトマン藤崎保

  担当 藤崎 保
・1990年
  東京宝石デザインスクール卒
・2006年
  JJAジュエリーデザイン
  アワード初出展で入選
・神奈川宝飾工芸組合員

ジュエリーの技法、第一帝政期 − ナポレオン時代のジュエリー


ヨーロッパ近世以降とアメリカ


マリー・ルイーズ皇后作の文字遊びのブレスレット


マリー・ルイーズ皇后作の文字遊びのブレスレット

鑑賞ポイント

  色石の頭文字で言葉を描く、いわゆる文字遊びのジュエリーの最初のもので、ナポレオンの妃マリー・ルイーズが作ったもの。
  ナポレオンの誕生日、自分の誕生日、そして二人の出会いと結婚の日が書かれている。
  ナポレオンが遠征から疲れ果てて帰ってきて、これを見せられて何と言ったかは、歴史は記録していない。
  1812年頃、個人蔵。

  自らをローマ皇帝に擬して皇帝と一族が先導した趣味と流行
  【 第一帝政期 −ナポレオン時代 】

 NAPOLEONIC PERIOD   1804〜c.1814

2人の皇后とナポレオンによる宮廷様式


 1799年末に第一執政となったナポレオンがフランス皇帝として君臨した時代、
1804年から14年までを第一執政期と呼ぶ。
装飾美術の面では、2人の皇后ジョゼフィーヌとマリー・ルイーズを中心にしてナポレオン自身の
好みも入れた、独特の[エンパイヤ様式] * 1 を発展させた時期である。
もともとナポレオン自身がエジプト遠征に考古学者や画家など175名を連れていったことからも
わかるように、学問や文化への関心が高かった。

堂々のパリュールとはこれのこと

堂々のパリュールとはこれのこと

鑑賞ポイント

  これはショーメの創設者であるエティエンヌ・ニトが1811年に描き残したデザイン画から
  復元された第一帝政期の王室のジュエリーの見本
  ダイヤモンドとルビーのみ、こうした素材やデザインが共通の複数のジュエリーをセットにしたものを
  パリュールと呼ぶ。
  頭部の飾りが多いことに注目。   1887年頃の復元、ショーメ・コレクション。

古代のモティーフと素材、カメオの採用


 一介の仕官から皇帝にまで成り上がったナポレオンにとって、文明とは古代のギリシャ・ローマを意味した。
革命で散逸したルイ王朝時代の宝飾品はその多くが1800年初めには回収されており、ナポレオンと
当時の皇后ジョゼフィーヌとは、ニトなどの新しい宝石商を登用して、己の好みに合わせてその多くを作りなおした。
それらのデザインの基礎となったのが、ギリシャ・ローマへの憧れと模倣であり、アンフォーラや鷲、盾、オークや
月桂樹の葉模様、メアンダー文 * 2 アーチといったモティーフが採用された。
 ナポレオンは自らをローマ皇帝に擬する所が大きく、ジュエリーにも登場する彼の肖像は多くが
古代ローマ風のものである。
また皇帝としての威厳を保つために必要と考えたのか、堂々とした大きなセット物のジュエリー、パリュールが
多いのも特徴である。
女性は髪を結い上げており、髪の前面を飾るティアラや飾り櫛がこのセットに含まれるのが普通であった。
 素材の面では、ギリシャ・ローマの古代のカメオやインタリオなどへ目が向き、ナポレオンは征服した各地に残る
遺物を収奪する一方で、自ら指揮してパリに宝石彫刻学校 * 3 を開設させた。
こうして集められたカメオなどは、彼の好みによるティアラや飾り櫛、ネックレスなどに用いられ、
新しいジュエリーとなっていった。
 皇后がハプスブルグ家の皇女マリー・ルイーズに変わると、彼女が考えたと言われる宝石の頭文字で人名や
言葉を描くセンチメンタルなジュエリーも登場する。
 また、ナポレオンは征服したプロシアのベルリンで見つけた鋳鉄のジュエリー、ベルリン・アイアンに感動し、
工場ごとパリに移転するなど、好きなものなら何でも手に入れる皇帝ならではの行動をしている。
この時代のジュエリーは今に残る物がきわめて少ないが、近世の始まりに登場した一つのパターンとして重要である。

戴冠式の衣服を身に着けた皇帝ナポレオン

戴冠式の衣服を身に着けた皇帝ナポレオン

  威風堂々、皇帝となったナポレオンの全身像。
  ギリシャ風に金製の月桂樹の葉を飾った冠をかぶる。
  彼にとって憧れのギリシャを表したのか。
  金の葉は8枚で、それまでの彼の戦争での勝利の数だが、
  あまりにも重いということで、2枚だけを残して6枚は取り外されたという因縁を持つ。
  1804年前後、ルーブル美術館蔵。

マリー・ルイーズ皇后の肖像

マリー・ルイーズ皇后の肖像

  ルフェーブルが描いた皇帝ナポレオンの二人目の皇后で
  ハプスブルグ家の皇女であったマリー・ルイーズの肖像。
  大きなティアラ、ジランドル風のイヤリング、異常に高い位置にあるウェスト・ラインと
  デコルテ * 4 の大きさに注目。
  左手は王冠を押さえ、皇后であることを示している。
  1812年頃、ショーメ・パリ蔵。

*1:フランス語ではスティル・アンピール。

*2 上下に噛み合った鉤方が連続する一種の雷門。

*3 ナポレオンが1805年に造幣局のジュフロワを主管に設立。

*4 胸刳りを大きく開けたネックラインのこと。宮廷の正装用のドレスに見られる



_______________________________________________________________________________________________________________________________________________
ヨーロッパの宝飾技術と歴史
@ ヨーロッパ宝飾芸術の源流
| 古代エジプト | メソポタミア | 古代ギリシャ | エトルリア | スキタイ |
| ケルト | アングロサクソン | ヴァイキング | 騎馬民族の世界 |
A 古典期から近世へ
| ヘレニズム時代 | 古代ローマ | ビザンチン | 中世 - 1 | 中世 - 2 |
| ルネサンス - 1 | ルネサンス - 2 | マニエリスム | バロック | ネオ・クラシシズム |
B ヨーロッパ近世以降とアメリカ
| ナポレオン時代 | ジョージアン | センチメンタリズム | ヴィクトリアン | 第二帝政期 |
| ヒストリシズム | ヴィクトリアン - 2 | カステラーニ一族 | 奇々怪々な素材たち |
| モーニング・ジュエリー | ベル・エポック - 1 | ベル・エポック - 2 | 第三共和制とフランスの愚挙 |
| アメリカからの新風 - ティファニー | ジャポニスム | 照明と宝石の関係 |
C 19世紀末から第二次世界大戦
| アーツ・アンド・クラフツ | アール・ヌーヴォー | ルネ・ラリック |
| ファベルジェの技 - ギヨシェ、エンジンターン | エドワーディアン | プラチナの登場 |
| カルティエ一族 | アール・デコ | 女性の実用小物 | 現代の天才たち |