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豆知識
・ 結婚記念日の贈り物って?
・ 薬指にはめるのは何故?
・ ダイアモンドの鑑定
・ 世界で有名なダイアモンド
・ 銀の黒ずみを取る・つける
・ ジュエリーの技法(歴史)1
・ ジュエリーの技法(歴史)2

クラフトマン藤崎保  担当 藤崎 保
・1990年
  東京宝石デザインスクール卒
・2006年
  JJAジュエリーデザイン
  アワード初出展で入選
・神奈川宝飾工芸組合員

ジュエリーの技法 古代ギリシャ - クレタ、ミケーネ


ヨーロッパ宝飾芸術の源流


  自然と人間をモティーフとした工芸、色彩として七宝を発明した文明
  【 古代ギリシャ−クレタ、ミケーネ 】

  ANCIENT GREECE c.2500〜335 B.C

クレタ文明を継承したミケーネ文明


クレタ島に紀元前3千年〜2千年紀に栄えたものをクレタ文明(ミノア文明とも言う)、
それをギリシャ本土で継承したものをミケーネ文明と呼ぶ。
クレタ文明の工芸の面白さは、動物や人間、草花などのモティーフを動きを中心に
捉えたことで、生き生きとした表現のものが多い。
大きな彫刻類は無いが、ファイアンス(一種の焼き物)や象牙、石のインタリオや
金の板の打ち出しに優れたものが多く、いわゆるトロイの遺宝と呼ばれるものの中に
優品が多い。
七宝もまた、ミケーネが起源とされる。

動くようにジョイントされた蜂のペンダント


動くようにジョイントされた蜂のペンダント

鑑賞ポイント

  2匹の向かい合った蜂をデザインしたペンダント。
  ギリシャの金細工品の中でも最古のもので、クレタ島に花開いたミノア文明の遺品。
  蜂の身体に施された粒金細工は見事。
  粒金の作例としても、最も古いものに属する。
  紀元前1800〜1600年前後、ヘラクリオン美術館蔵。

周辺民族との関わりを窺わせるデザイン


トロイの遺跡を発見した後、シュリーマンは1876年、ミケーネの王宮の発掘にも成功する。
17本もの縦坑の墓地から発見された金銀製品は、総計で13,5キロにも及ぶ。
その中で最もユニークなのが、死者の顔にかけたと思われる金製の仮面状の装身具で
思い込みの激しいシュリーマンはこれをトロイ戦争でギリシャ軍を率いたアガメムノン王の
ものと決め付けたが、実はそれよりも300年以上も昔のミケーネ時代のものであった。
同様のものが6枚発見されている事からして、一定の地位以上の死者への礼儀であったと思われる。
作りとしては簡単なもので、金の板をルプセによって作ったものにすぎない。

アガメムノンマスクと呼ばれる金のマスク

アガメムノンマスクと呼ばれる金のマスク

鑑賞ポイント

  シュリーマンがミケーネの遺跡から発掘した金製のマスクの一つ。
  薄い金の板を槌で打ち出しただけの作りだが、表現力は見事の一語に尽きる。
  紀元前16世紀後半、アテネ国立考古博物館蔵。

 この他現存するジュエリーには、人物像や神と人々の集まり、動物などを金の板の
表面にインタリオ状に掘り下げたシグネット・リングと呼ばれる指輪がある。
これは、その後もヘレニズム期まで作り続けられたが、金だけによるものが中心で
彫りは鋳込みではなく、全て手彫りである。
 宝石類はインタリオを施した円筒や指輪のシール(封蝋)などに見られる程度で
ほとんど使われていない。
ジュエリーに必要な色彩は彼らの発明とされる七宝を主に使ったようである。
 また、周辺民族との関わりを示すのが、動物文(神聖動物であった牛が多い)
や動物闘争文などの使用とクレタ島のヘラクリオン美術館にある蜂のペンダントに
見られるような粒金技術の多用である。
このあたりは、古代ギリシャが西欧よりも中近東諸国とのつながりが密接であった
ことの証拠であろうか。
これから先、古典期を経て、ローマの属州になっても、ギリシャ人は周りの国々をも含めた
諸国の金銀細工師として働くという素地がすでに生まれているといえる。
トロイ戦争のものと決め付けた、いわゆるトロイの遺宝*1も今ではトロイ戦争よりも
1000年以上も古い、古代メソポタミア諸王国のいずれかのものと推定されている。
人類最古のジュエリーの源流の一つがこれほどに多様であり、それがつい最近まで
全く知られていなかったと言うのも、歴史の皮肉として面白いものがあります。

*1:1873年にシュリーマンがトルコのヒッサリクで発見した遺跡から発掘された金銀工芸品のこと。

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ヨーロッパの宝飾技術と歴史
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