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豆知識
・ 結婚記念日の贈り物って?
・ 薬指にはめるのは何故?
・ ダイアモンドの鑑定
・ 世界で有名なダイアモンド
・ 銀の黒ずみを取る・つける
・ ジュエリーの技法(歴史)1
・ ジュエリーの技法(歴史)2


クラフトマン藤崎保

  担当 藤崎 保
・1990年
  東京宝石デザインスクール卒
・2006年
  JJAジュエリーデザイン
  アワード初出展で入選
・神奈川宝飾工芸組合員

ジュエリーの技法、ベル・エポック − 1


ヨーロッパ近世以降とアメリカ


中世趣味濃厚なリシュアン・ファリーズの名作


中世趣味濃厚なリシュアン・ファリーズの名作

鑑賞ポイント

  頭部にガーゴイル * 1 を、その下に紫色のサファイアを守るように、様式化したドラゴンを
  左右に配置した、中世色の濃いデザインのペンダント。
  ファリーズ家の二代目リシュアンは、彫刻的な高低のある作品を多く残している。
  1885年、アルビオンアート・コレクション蔵。

  ジュエリー誕生を促したパリ万博、アーティストと大型宝石店の登場
  【 ベル・エポック − 1 】

   BELLE EPOQUE - 1    c.1870〜1914            

相次ぐ万博開催と市場の劇的変化


 1851年、ロンドンで開催された一回目の万国博覧会は、英国のライバルをもって任じていた
フランスに大きな衝撃を与えた。
同年クーデターを起こして即位した皇帝ナポレオン3世率いるフランスは、その後憑かれたように
万国博を開催する。
1855年、67年、そして皇帝を追放して第三共和国となった後も、78年、89年そして1900年と
パリで万国博が開かれた。
フランスの万国博の特徴は、もちろん、工業面での進歩や植民地からの珍奇なものの展示もあったが、
かなり大きな部分が工芸品の展示に割かれていたことだ。
その工芸品の中で、ジュエリーあるいは銀器、実用品や置物が、この時代に重要な地位を占める
 一方、買う側、つまり市場も大きく変化する。
70年にナポレオン3世を追放して、第三共和制をとったフランスでは、新興の産業階級を中心として、
消費構造そのものが変化する。
百貨店 * 3 の登場、割賦販売の施工、ショッピング・アーケード * 2 の登場など、劇的な変化が生まれる。
王こそいなくなったものの、しぶとく生き残った貴族たちと、こうした新興の富裕層がパリを中心として、
華やかな生活を繰り広げた時代、それをベル・エポック(美しき時代)と呼ぶ。

ネオ・ゴシックという中世を盛り込んだブレスレット

「ネオ・ゴシック」という中世を盛り込んだブレスレット

  中央のカボッション・サファイアを左右から支える銀製の女神像は、
  中世の建築に見られるモティーフを利用したもの。
  全体を真珠とルビーと七宝で飾りたてたブレスレット。
  フロマン=ムーリスと共同のヴィエズの作。
  1850年代、フォルツハイム宝石美術館蔵。

19世紀後期フランスのデザイナー作家たち


 世紀末を迎えるまでのパリには、アトリエ風の店構えを特徴とする多くのデザイナーが登場する。
デザイナーたちの殆んどが家業であり、親子まれには孫を超えて数代にわたる家も少なくない。
ゴシックのリバイバルで名を売ったフロマン=ムーリス一族、重厚な中世風のデザインを得意とした
ジュール・ヴィエズ一族、フーケ親子、日本からの有線七宝の影響を受けたファリーズ一族、四代目が
名著『19世紀フランスのジュエリー』を書いたヴェヴェール一族、その他には、さまざまな七宝を駆使した
フイヤートル、角などの素材で[アール・ヌーヴォー]風の作品を出したリシュアン・ガイヤール、生没年不詳の
天才ゴートレ、それにもちろん天才ルネ・ラリックがいた。

女性の顔を持つアール・ヌーヴォーの蝶々

女性の顔を持つアール・ヌーヴォーの蝶々

  プリカジュール・エナメルの羽根、ムーンストーンの模様、そしてオパールを用いた蝶の精の横顔、
  素材もデザインも儚げで幻想的、典型的な[アール・ヌーヴォー様式]のブローチ。
  パリのフイヤトールが20世紀の初め頃に作った作品である。
  1900年前後、個人蔵。

パリの曲者ヴェヴェール一族の名作、孔雀のペンダント

パリの曲者ヴェヴェール一族の名作、孔雀のペンダント

  鍵穴状のオパールの板を背景に、七宝とダイヤモンドで飾られた孔雀を描いたペンダント。
  ヴェヴェールは斬新なデザインを用いながらも、実用という面を重視したメゾンであり、
  この作品は高さ10センチを超え、ペンダントとしては、堂々とした作品となっているあたりが、
  彼の特徴である。
  20世紀初頭、個人蔵。

こうした個性の強いデザイナー作家達は、時の主流であったベル・エポック様式のプラチナ・ジュエリー
など目もくれずに、アール・ヌーヴォーの色彩の濃い、きわめて特徴のある多くのジュエリーを世に送り出した。
今に残る19世紀末パリで作られたこうしたジュエリーは、その個性の強さと多様さにおいてジュエリーの
歴史を彩るものである。
しかもその多くが、パリで開かれた万国博の工芸の展示物として作られたことを思えば、英国への反発で
始まったフランスの万国博熱が優れたジュエリーを生み出す原動力であったのかも知れない。

*1:怪獣を象った屋根の水のはけ口。

*2 ガラス天涯の通り抜け商店街。

*3 同一店舗内で多種の商品を売る形態。1852年、パリのボンマルシェが世界初。

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ヨーロッパの宝飾技術と歴史
@ ヨーロッパ宝飾芸術の源流
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B ヨーロッパ近世以降とアメリカ
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