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豆知識
・ 結婚記念日の贈り物って?
・ 薬指にはめるのは何故?
・ ダイアモンドの鑑定
・ 世界で有名なダイアモンド
・ 銀の黒ずみを取る・つける
・ ジュエリーの技法(歴史)1
・ ジュエリーの技法(歴史)2


クラフトマン藤崎保

  担当 藤崎 保
・1990年
  東京宝石デザインスクール卒
・2006年
  JJAジュエリーデザイン
  アワード初出展で入選
・神奈川宝飾工芸組合員

ジュエリーの技法、ベル・エポック − 2


ヨーロッパ近世以降とアメリカ


銀とスティールの競演、ブシュロンの名作


銀とスティールの競演、ブシュロンの名作

鑑賞ポイント

  銀で作った台座に、ダイヤモンドを敷き詰めた様式化した花を二輪あしらった繊細なネックレス。
  後ろの首を取り巻く部分には、弾性を出す為に鋼鉄が使われている。
  機能を重視して、素材にこだわらないという革新性を示すグランド・メゾンの傑作。
  1890年前後のパリ製、個人蔵。

  パリへと殺到した王侯貴族やアメリカの大富豪、そのジュエリーを一手に引き受けたグランド・メゾン
  【 ベル・エポック − 2 】

   BELLE EPOQUE - 2               

近代的な大宝石店がすべて出揃った時代


 一方こうしたデザイナー・ブティック風の店舗とは別に、王制の圧力のとれた新興階級を顧客とする
近代的な大宝石店も平行して登場する。
グランド・メゾンと呼ばれる店がそれで、今でもヴァンドーム・サンク * 1 などという名前で別格扱いされる場合がある。
その多くは今日まで続いているものの、その後経営難に見舞われて内容が変わった店も多いが
その殆んどはこの時代に創業するか大きくなったものだ。
消費の形態も変わった。
1870年代には最初の百貨店ボンマルシェが開業し、1870年代にはデュファイエルの手で分割払いが生まれる。
今の消費に近い、大衆による自己顕示のための消費が始まったのは、この時代のフランスであった。

グランド・メゾン特有の堂々たるパリュール

グランド・メゾン特有の堂々たるパリュール

  内側に魚子(ななこ) * 1 を打った金線の間にブルーのエナメルを配し、その上に天然の真珠と
  ダイヤモンドを縦横に飾りつけた、堂々としたネックレスとブローチのドミ・パリュール。
  こうした威風堂々ともいうべきジュエリーは、この時代のグランド・メゾンと呼ばれる
  大宝石店が最も得意としたもの。
  これを買える顧客なしには作れない作品。
  19世紀後半、メレリオ・ディ・メレー・コレクション。

プラチナにダイヤモンドと真珠の正統派


 1800年以前に創業していたメレリオ・ディ・メレー社やショーメ社はこの頃に一段と業容を
拡大し、新たにブシュロン社、それにカルティエ社が参加してくる。
1906年にはヴァンクリーフ&アーペル社が創設し、グランド・メゾンの大所は出揃うことになる。
1870年代から20世紀になるまでのベル・エポックと呼ばれるこの時代に、こうしたグランド・メゾンが
作り売ったジュエリーには、際立った特徴がある。
それは、前述のデザイナー・ブティックが新奇なデザインや作りを追求したのに比べて、正々堂々とした
大振りなジュエリーが中心ということだ。
プラチナやダイヤモンド、それに大粒の真珠を素材とするジュエリーがそれである
 こうしたものは、もちろんフランスの新興階級も顧客であったが、同時に、海外からの旅行者あるいは
フランスに第二の住まいを構える外国の貴族や富裕層たちにとって、パリで買うべきものの筆頭として、
新しい市場を獲得していった。
第一次大戦が終わるまでは、欧州には王侯貴族は嫌になるくらい沢山いたし、彼らのおおくは
麗しの女性とお買い物の天国であるパリへと殺到したのだ。
その他にもこの頃になると、アメリカの大富豪たちやその家族がパリへとやって来る。
彼らの富裕ぶりは桁外れであり、大富豪たちの娘が欧州の貴族と莫大な持参金と共に結婚するのも
この時代である。
 もちろん日本の華族たちもこうしたグランド・メゾンの顧客リストに載っている。
日本の皇室の正装用のジュエリーは、この頃にグランド・メゾンに作らせたものだ・
 かくして王侯貴族を追放したはずのフランスが王侯貴族たちが使うジュエリーの製作をほぼ一手に
引き受けるという奇妙な時代が続く。
それはまたグランド・メゾンのメンバーにとっても、最も華やかで一番儲かる黄金の日々であった。
 そうした繁栄も第一次大戦とともに消えてゆき、グランド・メゾンと呼ばれた多くの宝石店にとっても、
創業者一族の追放や破産という苦難の日々を迎えることとなる。
貴族を中心とする社会最後の繁栄、そしてそうした人々がファッション・リーダーであった最後の社会、
それがベル・エポックであり、グランド・メゾンの時代である。

*1:金属面に鏨(たがね)で粟粒状の模様を細工する日本独自の技法の一つ、斜子とも書く。

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ヨーロッパの宝飾技術と歴史
@ ヨーロッパ宝飾芸術の源流
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B ヨーロッパ近世以降とアメリカ
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