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豆知識
・ 結婚記念日の贈り物って?
・ 薬指にはめるのは何故?
・ ダイアモンドの鑑定
・ 世界で有名なダイアモンド
・ 銀の黒ずみを取る・つける
・ ジュエリーの技法(歴史)1
・ ジュエリーの技法(歴史)2


クラフトマン藤崎保

  担当 藤崎 保
・1990年
  東京宝石デザインスクール卒
・2006年
  JJAジュエリーデザイン
  アワード初出展で入選
・神奈川宝飾工芸組合員

ジュエリーの技法、歴史、第三共和制とフランスの愚挙


ヨーロッパ近世以降とアメリカ


フランス王室の宝石競売用カタログ



  美しき時代に売り払われた国家の歴史的美の遺産
  【 第三共和制とフランスの愚挙 】

                  

平穏な社会と新興富裕階級の美しき時代


 19世紀のフランスは、帝政から王制そして共和制へ、さらには大統領から皇帝となって第二帝政を
敷いたナポレオン三世が追放されて、また共和制に戻るという、まるで社会変動の問屋のような国であった。
第三共和制となった1870年以降やっと社会も安定し、英国には遅れをとったものの産業革命も
ほぼ完成をみて、新しい資本家というブルジョア階級が定着する。
王こそいなくなったもののしぶとく生き残った貴族たちと、こうした新興の富裕階級がパリを中心として
華やかな生活を繰り広げた時代、それがベル・エポックである。
 卓越したアイデアと技術とユニークなデザイナーのブティック風店舗が生まれる一方、伝統的な
ジュエリーもグランド・メゾンを中心に盛大に作られた時期である。

フランス王室の宝石競売用カタログ

フランス王室伝来のジュエリー、競売用カタログ

  これはナポレオン三世を追放したフランスの第三共和制政府が、愚かにも
  フランス王室伝来の宝石類を1887年に競売にかけた折のカタログ。
  写真印刷の最も古いもの、このサイズの図版が30枚近くある。
  この競売で一番買い占めたのが、かのティファニーで、アメリカへ渡った多くのジュエリーは、
  バラバラにされて売られてしまったという曰く因縁付きのもの。
  1887年、個人蔵。

フランス王家伝来のジュエリーの競売


 1870年、フランスを追われた皇帝一家はロンドンに亡命する。
もちろん、皇后ユージェニー以下の人々が使っていたジュエリーの多くも持ち出されてフランスを離れる。
この頃のジョークとして、世界のダイヤモンドの産地は南アフリカとロンドンのフランス人だというのがある。
それほどに、亡命者たちは宝石をロンドンで売って生活の足しにしたのだ。
これは個人による売却だが、時の大統領グレヴィが己の政治的立場を強化するだけの為に下した決定、
つまり、フランス王国歴代のクラウン・ジュエルを殆んど全て売却するという愚挙もあった。
1872年に大蔵省に回収されていたフランス王家伝来のジュエリーは、78年と84年の2回、一般公開されている。
かくして、資料的価値のあるもの(それらはルーブルと科学博物館に渡された)を除き48ロットからなる
フランス王国歴代のジュエリーは全て競売にかけられた。
時に1887年5月12日から23日にかけてのことであった。
最大の買い手は、なんとアメリカのティファニーで、彼はジュエリーをアメリカへ持ち帰ってバラバラにして
作り直したものを、出所証明書とともに売却した。
このように、売られたものの多くは今日では原型をとどめず、所在のわかるものは稀である。
世界最大のコレクションの一つが、フランス人自身の手で消え失せたのだ。
 こうした愚挙をする一方で、この時代のフランス人は、後年ベル・エポック様式と呼ばれる特徴のある
ジュエリーを大量に作っている
しかし、それらを必要とした社会的富裕層の人々がファッション・リーダーであった時代は、
ベル・エポックの終焉とともに終わる。
正統的なジュエリーの最終章、それが第三共和制、それも第一次大戦までの時代とも言える。

*1:金属面に鏨(たがね)で粟粒状の模様を細工する日本独自の技法の一つ、斜子とも書く。

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ヨーロッパの宝飾技術と歴史
@ ヨーロッパ宝飾芸術の源流
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A 古典期から近世へ
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B ヨーロッパ近世以降とアメリカ
| ナポレオン時代 | ジョージアン | センチメンタリズム | ヴィクトリアン | 第二帝政期 |
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| モーニング・ジュエリー | ベル・エポック - 1 | ベル・エポック - 2 | 第三共和制とフランスの愚挙 |
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C 19世紀末から第二次世界大戦
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