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豆知識
・ 結婚記念日の贈り物って?
・ 薬指にはめるのは何故?
・ ダイアモンドの鑑定
・ 世界で有名なダイアモンド
・ 銀の黒ずみを取る・つける
・ ジュエリーの技法(歴史)1
・ ジュエリーの技法(歴史)2


クラフトマン藤崎保

  担当 藤崎 保
・1990年
  東京宝石デザインスクール卒
・2006年
  JJAジュエリーデザイン
  アワード初出展で入選
・神奈川宝飾工芸組合員

ジュエリーの技法、歴史、ファベルジェの技 - ギヨシェ、エンジンターン


19世紀末から第二次世界大戦


  ジュエリー史に残る数少ない天才、ロマノフ王家の繁栄を伝える宝飾品の数々  
  【 ファベルジェの技 - ギヨシェ、エンジンターン 】

       FABERGE    

皇帝二代の繁栄と宝石商の活躍


 ロシアを支配したロマノフ家の歴史は長い。
1613年から1917年まで、18人の皇帝が即位したその皇統の中で、エカテリーナ1世、
アンナ、エリザベタ、エカテリーナ2世と4人の女帝がいたこともあり、歴代宝石類の収集では
群を抜いた王朝でもあった。
しかし、ジュエリー史の上でロシアの栄華を言う場合には、王朝最後の皇帝アレキサンドル3世と
その子ニコライ2世の二代にわたる繁栄と、2人の皇帝に宝飾品を作り続けた天才ファベルジェや
ボリーン、ティランダーなどの宝石商の活躍した時代を指すのが普通である。

ファベルジェ流の生け花

ファベルジェ流の生け花

鑑賞ポイント

  翡翠(ひすい)の葉、金の茎に真珠の花を付けた一輪挿し、
  これが、ファベルジェが得意とした生け花。
  驚くのは、水の入った壷までがクリスタルをくり抜いて作ったものであること。
  どう見ても本物の水にしか見えない。
  1890年代、元フォーブス・コレクション。

宝飾技術の粋を凝らした実用品や装飾品


 ペーター・カール・ファベルジェ(1846年〜1920年)は、ジュエリー史に残る数少ない天才の一人である。
彼はロマノフ家最期の皇帝2人とその家族のために、宮廷で使うさまざまな品物を宝石と貴金属を用い、
多くの優れた職人を使いながら作り続けた。
製品としてはジュエリーは少なく、むしろ皇帝からの下賜品や時計、花瓶、文房具、写真立てなどの
実用的な品物が多い。
 今日ファベルジェがつとに知られるのは、皇帝の后2人のために作った約50個に及ぶイースター・エッグ
によってである。
ロシア正教徒にとっては、クリスマスよりもキリストの復活を祝うイースター祭の方が大切である。
彼らはこの日に、復活の象徴として装飾した卵を贈り合う。
皇帝と后のために、ファベルジェは宝飾技術の粋を凝らしてエッグを作った。
1885年のことである。
それ以後、1916年の革命直前の年まで約30年にわたりこの作業は続く。
 ファベルジェの宝飾技術のなかで最も注目されるのは七宝、特にギヨシェ * 1 と呼ばれるものである。
事前に金属の板の表面にエンジン・ターン * 2 と呼ばれる機械を使って線刻で精緻な幾何学模様をほどこし、
その上から透明の色のある七宝をかける技術で、これによって幾何学模様が濃淡となって見える。
ファベルジェはまた、さまざまな宝石類を彫刻して動物や植物を作ることにも優れ英国の王室にそれらの
一大コレクションがある。
 彼はこうして、英国王室を始めタイ国王室などためにも多くの装飾品を作った。
その成功を見たカルティエがロシアに進出を図るが相手にされず、しっぽをまいて退散したことからもわかる通り、
ファベルジェに比肩できる宝石商はいない。
彼のイースター・エッグを実際に見るとその途方も無さに仰天し、こんなものを作っていたから
革命が起きたと言いたくなるが、革命後のソ連邦が生み出した芸術がマトリョーシカ人形 * 3 であるというのも、
いろいろと考えさせられる歴史の矛盾であろう。

イースター・エッグの最高傑作


イースター・エッグの最高傑作

鑑賞ポイント

  ルネサンス・エッグと呼ばれるファベルジェの代表作。
  白のカルセドニーをくり抜いて作ったエッグの表面に、七宝や宝石の格子細工が見事。
  中に入っていた仕掛けの細工は残念なことに失われたいる。
  開いた口には真珠の連を吊り下げることが出来る。
  1894年頃、元フォーブス・コレクション。

* 1 ギヨシェ

   ギヨシェとは、金属の表面に彫った精緻な線刻模様のこと。
   (19世紀末にはエンジン・ターンが使われた)
   その上から有色の透明、半透明の七宝をかけて地の模様を浮き出させる技法は、
   ファベルジェが多用したことで知られる。バス・タイユ(彫胎七宝)の一種。

ギヨシェ

* 2 エンジンターン


   金属面の大きなジュエリーやコンパクト、時計の文字盤などに、
   連続した精緻な線刻パターンを施す機械及びその細工面(ギヨシェと同義)。
   ファベルジェがギヨシェ・エナメルの下地に使ったことで知られる。

エンジンターン


* 3 ロシアの土産物の一つ、多くは木製の人物像などの入れ子の置物。

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ヨーロッパの宝飾技術と歴史
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