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豆知識
・ 結婚記念日の贈り物って?
・ 薬指にはめるのは何故?
・ ダイアモンドの鑑定
・ 世界で有名なダイアモンド
・ 銀の黒ずみを取る・つける
・ ジュエリーの技法(歴史)1
・ ジュエリーの技法(歴史)2

クラフトマン藤崎保  担当 藤崎 保
・1990年
  東京宝石デザインスクール卒
・2006年
  JJAジュエリーデザイン
  アワード初出展で入選
・神奈川宝飾工芸組合員

ジュエリーの加工・技法、歴史、エトルリア


ヨーロッパ宝飾芸術の源流


  ジュエリー史上最大の謎、謎の民族が遺した粒金細工
  【 エトルリア 】

  ETRURIA 7c〜1cB.C

遺物が物語るエトルリア人の工芸の才


エトルリア人とは今のイタリアのトスカーナ地方を中心とする
地域に、紀元前7〜1世紀にローマに併合されるまで住んでいたイタリアの先住民族の一つである。
エトルリア人の特徴はあらゆる工芸に秀でていたことで、特に金銀細工や
青銅工芸、テラコッタ*1などに発揮され、膨大な遺物が今に残る。
しかし、文字を持たなかった為に、その言語や生活、宗教については今も不明なことが多い謎の民族である

技法A  グラニュレーション(粒金) 〜Granulation〜

  金属の表面に微細な粒を大量に連続して
  付けることでデザインを描く方法。
  紀元前3千年頃に東地中海地方で生まれ、
  エトルリア人の手で最高の物が作られた。
  最小の粒は0.18ミリと言われ、その技術は
  今日でも謎とされる。
  粒金(りゅうきん)と訳す

エトルリア独特の財布型イヤリング


「エトルリア独特の財布型イヤリング」

鑑賞ポイント

  外見からすると、財布に似ている為に財布型と呼ばれるイヤリング。
  側面から見ると円環状をしており、上の蓋に見える部分が飛び出して、その裏面にピアスの針が隠されている。
  表面には、全面的に粒金と金線細工が施されており、細工もデザインもエトルリア人特有のジュエリーである。
  紀元前6世紀、ヴィラ・ジュリア美術館蔵。

優れた具象表現、例を見ない金の装身具


彼らは文字を持たなかったせいか、あらゆる物を精密な具象の作品として
作ることに、天才的な能力を発揮した。
なかでも、金による装身具は、それ以後の人類の歴史に例をみないものだ。
エトルリア人の作ったジュエリーの特徴は金以外の素材、特に宝石類の使用を
ほとんどしないこと、その代わりに、金製品の表面に驚くほどに微細な粒金の
細工を施したことにある。
このミリ単位以下の金細工を粒金あるいあはグラニュレーションと呼ぶ

用途は不明なところが面白いエトルリアの金細工

「用途は不明なところが面白いエトルリアの金細工」

鑑賞ポイント

  横幅17センチもある金の板の上に馬か獅子かと思わせる様式化した
  動物像を数十体も並べた奇奇怪怪としか言いようのないジュエリー。
  動物や周辺の枠の上には、無数の粒金細工が施されている。
  一応胸飾りとされるが、本当の用途は不明、ただただその技術力の凄みに圧倒される。
  紀元前7世紀頃、アテネ国立考古博物館蔵。

 これは直径1ミリ以下、最小のものでは実に0,18ミリという小さな金の粒を、
別の金の板に貼り付けて模様を描く細工ですが、金の粒を貼り付けるのが
どうしてそんなに大変なのか疑問に思われるかもしれない。
普通の蝋材*2は粒を埋めてしまうので使えず、それに粒同士が
接近しているので、一つ一つ付けていたのでは、前につけた粒が熱ではがれて
しまう可能性がある。
つまり、この無数の金の粒は全て一度に接着してあると考えられます。
 加工に使う熱と言えば木炭を焚くだけの時代にどうしてここまで精緻な加工が
できたのか、ジュエリー加工の歴史上最大の謎の一つとされる。
おそらく、金の粒と板の間にある種の素材(かのプリウス*3によれば魚の油)を
置く事で融点を下げて接着したらしく、その後さまざまな職人がこれに挑戦
しているが、本当のところは今でも謎である。
 エトルリア人が遺した膨大な数のこうした金細工は今でもイタリアの土中から
出てくる程である。
言語や歴史すらはっきりしない民族が残したもの、それが粒金のジュエリーである。

*1:粘土を成型して素焼きにしたものの総称。エトルリア出土の塑像には、テラコッタ製のものが多い

*2:金属の接合に使う合金。

*3:『博物誌』で知られる古代ローマの博物学者

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ヨーロッパの宝飾技術と歴史
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