【ステンレスはサビない?】
ステンレスは強度に優れ、普通鋼やアルミニウムと比較すると、 極めて耐食性に優れています。 しかし、金や白金の様に絶対にさびない金属ではありません。
ステンレスは『サビない』金属ではなく、むしろ『サビにくい』 金属といえます。
ステンレスが『サビにくい』のは、含有されるクロムが酸素と結合し、 表面に酸化皮膜(不動態皮膜)を形成し、この皮膜がサビを防ぐ働きを しているからです。 不動態皮膜は、ステンレスにキズがついても空気中の酸素が触れている 間は、自己再生します。
【ステンレスは、どんなときにサビる?】
したがって、なんらかの環境の変化により、不動態皮膜が破壊され
自己再生が妨げられた場合は、ステンレスといえども腐食し『サビ』が
発生します。
不動態皮膜を破壊し、自己再生を妨げる作用を持つ、主な物質は以下の様な
物があります。
○塩素イオン
○硫黄酸化物
例えば、以下の様な場面が考えられます。
・塩素系の洗剤や漂白剤で洗浄し、洗剤が付着したままの場合
・海岸沿いなどの環境で塩分が付着した場合
・塩ビ焼却時のばい煙が付着した場合
・自動車の排気ガスが付着した場合
・温泉地帯
・火山灰のふる地帯
・結露等
その他に、『もらいサビ』 といわれる現象があります。
鉄粉等の異種金属が表面に付着し、その金属自身がさび、
あたかもステンレス自身が、サビた様にみえる現象です。
また、付着した金属自身がサビるだけでなく、ステンレス自身の
『サビ』にまでつながります。